吸血男子
「ダメかな?」

「私、海斗君が好きなの」

「知ってる。好きにさせて見せるから!! 1週間だけでも…ダメかな?」

「ごめんなさい」



 謝るとフェンスから体を起してこっちに歩いてきた。





 …この人、危ないかも。



 なんとなく感じた。



 一歩下がった。



「どうして逃げるの?」

「えと…」


 反対側に掛かっていたフェンスまで追い詰められた。




「俺、ふられたの初めてなんだよね。プライドが許さないって言うか…俺と付き合えよ」

「は?」



 キャラが変わったんだけど…。




「ごめんなさいって言ってるでしょう?」

「それは受け付けないよ」

「嫌ってば」



 悠輝君の腕が私の行き場を遮る。



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