吸血男子
「か、海斗君!!」



 反射的に海斗君を突き倒した。




「い゛ッ!!!」



 私は避けれずに悠輝君が振り上げたパイプ椅子で頭を強く打った。



「うわッ…美梨亜ちゃん!!」



 殴ったのが私と気付いたのか、悠輝君は勢いよくどこかに走って行った。




「美梨亜!!」

「平気だよ…すぐ治るから…」



 ヴァンパイアほどは行かないけど…魔女の治癒力もすごいんだよ。




「でも痛いだろ…?」

「海斗君が怪我した方が痛いよ」

「バカか!!」



 頭から血が出ているのが感覚的にわかる。



 痛いけど…痛い顔を出しちゃダメ。





 海斗君は私をおんぶして理事長室に飛び込んだ。



「あら、どうしちゃったの」


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