空色クローバー
改めて、先輩の顔を見る。

先輩は、とてもかっこいい人だった。

今まで気付かなかったけど、
凄く整った顔をしていた。

「酷く暗い顔をしてたから…ぶつかった時に怪我させたのかと心配になって話しかけたんだ。」

ぶつかったのは私なのに、
私を心配してくれていたみたい。

優しくて良い先輩だな…。

「いいえ、怪我はありません。
…ただ、大切な…宝物を落としちゃったんです。」

私はうつむいた。

思い出すと、また気分が落ち込んで、
涙がでそうになる。

もうみつからないかもしれない。
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