空色クローバー
…というか、陸は友達と言ってるが、
俺は今、友達というより、
しつこいやつとしか思ってない。

「今、悪口思っただろ。」

「…いや。」

「…今の間は一体何だ?」

陸の勘は鋭い方だ。

まぁ、殆ど表情を変えない俺と会話が成立させるには、鋭くないと駄目だが。

「大体空はいつも…」

はぁ…。

思わず溜息をつく。
こうなると陸は面倒だ。

「陸くーん、これ分かる?教えてー?」

逃げようか…と考えていると、
いいタイミングで、クラスの女子達から陸に声がかかった。

陸が女子の方を向く。

先程のぐちぐち言う時と違い、
今は王子様のような微笑みを顔に浮かべてるだろう。
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