君を愛する
「俺らは迷惑なんて思ってないよ。皆助け合っていかないと生きていけないんだからさ。これからもちゃんと悩み事は相談するんだぞ」修二は頭を撫でながら言って、美咲と一緒に学校へと向かった。
「みんな、明日から彩香が来れるって。これで皆が揃うよ」美咲が嬉しそうに伝えた。
「本当か? やっぱり皆が揃わないと何かつまらないよな」秀が笑いながら言った。
 その後も皆で他愛のない話をしながら、今日も変わりのない学校が始まった。
 次の日、美咲は先生に呼ばれて早く行かなければならないっていうことで、修二一人で彩香の家に向かった。
 彩香の家の前に着き、インターホンを押すと彩香がすぐに家から出てきた。
「待ってたよ、早く学校に行こう」
「学校に行くのが嬉しそうだな。久しぶりだからか?」
「そうだね。久しぶりに友達と会えるし。でも、私の悪い噂が流れていないか少し不安だけどね」一瞬だけ不安げな顔を見せた。やっぱり完全には吹っ切れてはいないのか、と思った。
 学校に着くと、美咲がダッシュで二人のもとへやってきた。
「彩香、全学年のクラスに大変なことが書かれてる。とりあえず修二も急いでクラスに来て」
 美咲の言い種からして、彩香のことでとんでもない事が起きていると直感した。二人は急いで自分たちのクラスに向かった。
 彩香がクラスに入ると、一気に彩香に対して冷たい視線が送られた。中にはクスクスと笑っている者もいた。
 そこに書かれていたものは、とんでもない言葉ばかりだった。レイプされた汚い女、ヤリマン、誰にでも股を開く女、他にも色々と酷い事が書いてあった。
「こういうことが全部のクラスの黒板に書かれているの」今にも泣き出しそうな顔で、修二の手を掴んで美咲が話してきた。
 美咲がそう言い終わると、彩香は自分のクラスの黒板の前に立ち黒板消しを持ち始めた。そんな彩香を見た修二は、彩香のもとに行って黒板消しを取り上げた。
「そんなことお前がやらなくて良いんだよ」修二は強い口調で言った。
「修二、俺他のクラスの黒板を消してくる」秀が大声で言うと、美咲たちも秀の後についていった。
 修二が一通り消し終わると、黒板消しを投げ捨てた。
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