君を愛する
「彩香、修二の間に赤ちゃんが出来たんだって? おめでとう」秀が自分のことのように喜んでくれた。秀は続けて喋りはじめた。
「じゃあ、里穂。俺らも彩香たちを見習って子作り頑張ろうか」冗談交じりで里穂の方に目をやって言った。
「何言ってるの、あんたは。私たちに子供はまだ早い」そう言いながら里穂は秀のことを強く叩いた。確かに今の秀には子供は早いかな、と彩香は素直に思った。
「まあ、本当に赤ちゃん出来て良かったね。修二とだったら、幸せにしてくれるよ」
「里穂、ありがとう。でも、学校では大きな声で言えないけどね。学校にバレたら流石にヤバいでしょ」そう言って、私は苦笑いした。
 両方の両親に認めてもらった日からは、毎日が楽しくなった。赤ちゃんが出来てそれを認めてもらったということもあってか、何でもないことが幸せに感じた。
 夏が終わって初秋になり、紅葉が綺麗になり始めた頃、修二と彩香は手を繋ぎながら近くの公園で仲睦まじく歩いていた。
「紅葉が綺麗だね。こういうデートも悪くないね」彩香は微笑みながら言った。
「ああ。彩香のお腹も結構大きくなってきたしな、こういうデートしかできないけど」
「この子が産まれて一人で歩けるようになったら、仲良く三人で手を繋ぎながらこういう道を歩いてるのかな」
「そうなってると理想的だな。でも、これからはそういう毎日が続いていくんだ。子供が産まれたら、もっと幸せな日々になるんだろうな」
 二人はそんな幸せな日々を描きながら、紅葉が綺麗な木々の下を歩き続けた。
「さすがにこの時期になると、この時間でも肌寒いな。彩香、お腹の中の子供にも良くないし、もうそろそろ帰ろうか」
「そうだね」優しくお腹を摩りながら、ゆっくりと帰り道を歩き出した。
 今日は修二の家で、彩香と修二の家族全員と秀や美咲たちと一緒にご飯を食べることになっていた。料理は彩香と修二のお母さんが一生懸命作ってくれた。そして、料理が全部出揃ったところで皆が食卓に集まった。
「皆が揃ったということで、いただきます」修二がハイテンション気味で言った。皆も修二の掛け声の後に「いただきます」と一斉に言った。
 皆で談笑しながら、この一時を楽しんだ。ある程度の料理を食べ終えた頃、修二がある物を持ってきた。
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