花に恋した女の子。(ハナコイ)
─3輪のヒーロー─
青い空と、白い雲。

そして、色とりどりに染められた小さな花たち。

「ふふっ…きれい」


施設の二階から見るその景色は、
いつも私を癒やしてくれる。

この施設からの眺めも
明日からは 見れないのか…


私は 高校2年生の女の子。

多分、施設に
預けられてるってことだけ
みんなと違うとこかな。

高校2年にもなれば、
そろそろ
自立しないといけないこともあって、
私は今日から
この施設をでることにした。

本当は、高校1年からは
出ていかなくちゃいけないんだけど、
近くに寮がある学校がなかったので
それができなかった。

でも最近、
近くの寮がある男子高が共学になって
女子も通えるようになり
私は明日から、
そこで生活する。


「今まで、ありがとうございました」


施設にペコッと頭を下げて
私は 旅立った。

──あの波乱の生活が
待ち受けているとは知らずに…ね。


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