『若恋』若の嫉妬【完】
夏らしく涼しげな柄でりおはなかなか見立てがいい。
「いつもお世話になってるから、何かひとつでもって」
はにかむように恥ずかしげに下を向く。
「…サンキュ」
「どういたしまして」
樹と言うヤツと郡司ってのと育子だっけか?
彼らは俺たちと出会っても悪い表情はしなかった。
「これから飯でも食うかなって思ったんだけど、よかったら一緒に食べねえか?」
空気を読んだ仁が誘ったら、
「いいんですか?」
育子が目を輝かせた。
「育子さんの食べたいもので一番のとこに今から連れてくよ」
「わあ、ありがとうございます。わたし生パスタが大好きです」
「じゃあ、カプリチョーザに行こうか。な?」
ナイス!
仁は俺に目配せして食事の後にふたりのドレスを買ってやれと合図した。