いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「お兄ちゃん!! そろそろ時間だよ?」


私はいつものように仕事前の
お兄ちゃんを起こしに行った。


「寝てるの?」


そっと襖を開け部屋に入る。


お兄ちゃん・・・


お兄ちゃんは気持ちよさそうにベッドで寝ていた。


お兄ちゃん・・・
私はそっとベッドに近づき、
寝息を立てるお兄ちゃんの横に立った。


なんとも無防備な寝顔。
私はついその顔に手が伸びてしまう。


しかしその手をサッと引いた。


ダメだ!!


私はもうお兄ちゃんを諦めるって決めたじゃない!!


だから桝田さんと・・・


「楓花・・・大丈夫か・・・」


すると、雄志が突然寝言を言った。


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