いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
楓花はそんな雄志の背中にそっともたれかかった。


「ふ、楓花・・・!?」


「少しだけ・・・
少しだけこのままでいさせて・・・」


「・・・・・」


雄志は何も言わずにそのまま動かずにいる。


「ありがとう・・・」


お兄ちゃんの背中あたたかい・・・

やさしさにつつまれてるみたい・・・


楓花は雄志の背中に持たれながら微笑んだ。


また雄志もそんな楓花を
背中に感じながら小さく笑った。


私がお兄ちゃんの相手ができればいいのにね・・・


私はめちゃくちゃうれしいけど、
お兄ちゃんは無理だよね・・・


そんな二人をつつみ込むように
やさしい風が風鈴を鳴らしていた。


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