いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「久しぶりにホッとできた。
やっぱり俺にはこいつやなぁと思った。
付き合うとかそんなん考えてない、
ただ、今そばにいてほしいんや、
奈緒子にそばにいてほしいんや!!」


「お兄ちゃん・・・」


「ごめん楓花、そっとしといてくれ。」


「・・・・・」


楓花の中の大切なものが崩れ落ちた、
ずっとそばにいたのは私なのに、
私だけがお兄ちゃんの味方だったのに、
そう思っていたのに・・・


お兄ちゃんは違ったんだね・・・
私はお兄ちゃんにとって 
いてもいなくても同じなんだね・・・



「わかったよ、お兄ちゃん・・・」


楓花の瞳から悲しく冷たい涙が零れ落ちた。


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