一人睨めっこ
『そうか……』

「ああ」

 なんか気まずい。

『わ……かっ……な』

「え??」

『わ、悪かったな!!』

 え。

『でっ! 麗香に会いに来たんだろ!? 行くぞほら!!』

「ぷっ」

『てめぇ今笑っただろ!! 調子に乗んなよ!』

「へーい」

『……調子乗ってるだろ』

 何だか可笑しくて、楽しかった。
 今まで仲悪かったのにな。

『ったく!!』

 あ、別にまだ仲良くなってないかな。


 そうおもいながら俺達は2階にある高村麗香の部屋へ向かった。


 只今、三時四十五分……。


 部屋の前まで来て、林田がドアをノックした。

『麗香……お客さんだ。入るぞ』

 そう言った林田の声には、不安が見え隠れしていた。
 部屋の中からは、ドタドタと暴れているような音が聞こえている。
 林田が部屋のドアを開けた。

「――っ」

 思わず、一歩後退りした。
 それ程だったのだ。
 部屋の中は、空き巣でも入ったかのように滅茶苦茶になっていた。
 いや、空き巣でももっと綺麗にしていくだろう。
 クローゼットからはみ出た衣服はぐしゃぐしゃになり、部屋中に散乱していた。
 教科書等の本類も散らばっていて、後は小さな小物が至るところに飛び散っている。
 
 そしてその部屋の真ん中に、高村麗香と思われる少女が居た。
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