一人睨めっこ
「よっしゃー!! 満点☆」

 こ、こいつ。
 成績いいってのは本当だったのか。
 ――学年トップは置いといて。

『お、藤崎満点か?』

 もっちゃんが感心したように言った。

「はい!!」

『凄いじゃないかー! どうしたんだ?』

「いやぁ、本気を出せばこのくらい楽勝っすよ!」

(何言っちゃってんだよ!)


『へぇ、真琴やるな!』

 淳が話し掛けてきた。

「まーな! お前は?」

『俺も満点!!』

 淳はそう言って満点のテストを見せた。

 淳も頭良いから大概満点なんだよな。

「お、仲間!!」

 何だそりゃ。
 って言うか、淳は俺が明らかにいつもと違う事に気付かないのか?


『は? 満点? どうせカンニングでもしたんだろ』

 声が聞こえた。
 こんな事を堂々と言う奴はあいつしか居ない。

(林田……)

 どこまでも俺を嫌ってるんだな。

「林田ぁ? お前は何点だったの??」

 カンニングの話は無視して、もう一人の俺が聞いた。

『……98点だけど、それが?』

 林田は悔しそうに言った。

 あ、こいつ満点取れなくて悔しいだけかよ。
 俺に八つ当たりするのは止めてくれよな。
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