一人睨めっこ
「そっか、ドンマイ! 次があるさ!!」

 またもや満面の笑み。

『はぁ!? ふざけんなよ!!!』

 これは林田じゃなくてもムカツク。

『カンニング野郎が偉そうにすんなよ!!』

「へ? カンニングなんてしてないし」

『あ゙あ゙? 嘘ついてんじゃねーよ!!』

 あれ、何この展開。

「嘘ついてないよ」

『あぁ!!?』

「どこに嘘ついたって証拠があるの?」

『それは――っその点数だよ!!』

「ん? これ?」

 もう一人の俺はピラピラと満点のテストを見せびらかした。

『そっ、そうだよ!!』

「これが、どうしたの?」

 もう一人の俺は、不適に笑った。

『馬鹿のお前がそんな満点取れるかよ!』

 お、俺って……!?

「取れるよ、ほら」

 そう言ってまたテストを見せびらかした。

『だからそれがカンニ――』

「俺に満点が取れる訳無い、って?」
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