一人睨めっこ
 夜の11時。

『そろそろ寝ようぜ』

 淳が言った。

『そうね』

 結局葛西は、淳の母さんのベッドで寝る事になった。

『おやすみ〜』

『お休み』

『おやすみなさ〜い』

 三人は部屋を出ていき、部屋には淳と俺だけが残った。

『俺達も寝るかぁ〜』

「おう」

 俺がそう言った時、葛西から貰ったペンダントが一瞬熱くなった。

「っ……」

 だが、すぐに熱くなくなった。

『どうした?』

 淳が心配そうに聞いた。

「いや、ちょっと目にゴミが入っただけ」

 俺は適当に誤魔化した。

『そっか』

 淳はそう言って、部屋の明かりを消した。

 雲に隠れているのか、月は見えない。
 天気予報で明日は晴れだと言っていたが、この分では曇りになりそうだ。

『んじゃ、おやすみ』

 淳が布団に潜り、言った。

『……おやすみ』

 俺も布団に潜り、瞼を閉じた。

 明日への不安を少し抱えながらも、俺は眠りについた。
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