一人睨めっこ

三節 条件

『あなた方はどうしてそんな所にいらっしゃるのか知りたいですわ〜』

 この妙に殺意がこもった声は――

「葛西……」

『俺も居るぜ?』

 ――葛西の背後から淳が顔を出した。

『話するのになんでこんな所まで行ってんのよ!』

「それは俺じゃなくて……」

 駿兄が突然眠りだしたから。

『悪いな、真琴の所為じゃねぇからさ』

「優兄……!!」

 本当優しいよ貴方!!

『ふうん、じゃあ優様に免じて許してあげるわ』

 偉そう……。
 って言うかまだ“優様”とか呼んでるんだ。

『何、その目は』

 葛西がじろりと俺を睨んだ。

「何でもありませんっ!」

 なんか最近、何でもないって台詞をよく使うなあ……。

『いいわ、ここで話をしましょう』

 そう言って葛西は部屋のドアを閉め――

「あ――」

 ――俺が注意しようとした時にはもう遅かった。

 葛西が閉めようとしたドアは見事、後ろに居た淳の顔面にヒットしていた。
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