銀盤少年
「よし! どうだった?」
多少息を切らしながらも、カズが俺の元に近づいてくる。
ブレードカバーを手渡すと手早く嵌めて、リンクから降りた。
チラリとケンちゃんに目配せすると、こちらも早くしろと目で訴えてくる。
俺はフィギュア部側の人間だし、ケンちゃんにも入部してフィギュアを続けてほしい。
けれどここは公正な審判をしなくちゃいけない。それは草太君も優希ちゃんもわかっている。
公私混合は捨て去ろう。二人のためにも。
「では批評を、草太君から」
「はい。ジャンプも高くて、他の要素もしっかりレベルが取れてたと思います。でも、やっぱりスピンは苦手ですね」
「うっ、手厳しいな草太は」
ケンちゃんとは違いハッキリとした口調で言い放ち、カズはまいったなと苦笑い。カズも草太君には敵わないようだ。