校舎と夕日の間から
直の顔が早く見たくて、俺は走った。
直の笑顔を見れば、この胸の痛みが消える?
やきそば屋の前に…
いた。
俺の頼んだタオルを手に持ち、俺だけを見つめる。
「サンキュ…矢沢!」
「先生、これ頭に巻くんでしょ?」
俺は、直の持って来てくれた白いタオルを頭に巻いた。
直、言えなくてごめん。
隠し事をしてごめん。
信じているけれど、今日のことは言えない。
卒業までのお前の気持ちを考えると、どうしても言えないよ。
直の笑顔を見ると、俺の胸はさっきよりも痛んだ。