【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
もっと違う日に…。
違うときに会いたかったよ。
あはは、と笑って暗い雰囲気をごまかしていると、舜くんも少し笑み浮かべる。
「そうだな。俺、地元ココじゃないし」
そーだよね。
舜くん家って、私の家の最寄駅から電車で30分くらいかかるらしい。
行ったことないけど、高層マンションなんだとか。
…それより、さっきの人……。
出て行っちゃったっきり戻ってこないけど、いいのかな?
お互い怒ってたみたいだけど、舜くんって意外とあっさりしてるし…。
…カノジョなんだったら、ここで追いかけるべきじゃないの?
舜くん、こんなところで時間を割いてる場合じゃないと思うよ……?
…と思いつつ、さっきの女の人の話題に触れようか触れまいか迷っていると…。
「すいません。俺らそろそろ行くんで」
穂見くんがコーヒーをかき混ぜながらそう言った。
え……?
私は食べかけの抹茶パフェを見つめた。
どこに…?
…というかそれを決めるために、一旦ここに入ったんだよね?
でもまだ、どこ行くか決まってないし…。
穂見くんの欲しいモノも聞いてないよ。
だけど、そんなこと聞く間もなく、一瞬にして腕を掴まれる。
「あのっ……ほのみくっ…」
急にどうしたんだろう?
私はパフェ食べてる途中だったし、穂見くんもコーヒー飲みかけだし…。
まだお昼過ぎだし、そんなに急がなくてもいいのに。
繋がれた手を見つめていると、穂見くんはレジでお会計を進めだした。