彼が眼鏡を外さない理由



時折思うのだ。

男が眼鏡を掛けているのは、余計なものを見ないためなんじゃないかなって。

薄いレンズ越しに、あの男はきっと見えないなにかを必死に見ようとしていて、そうして眼前に見えてるそれを拒絶している。


だからこそわたしはあの男の眼鏡を外してやりたいのだ。

"お嬢さん"なんて、その他大勢の枠組みではない"わたし"をとらえてほしい。


つまらない余計なものなんて取っぱらって。

体当たりでぶつかるわたしに答えてほしい。


夢現(ゆめうつつ)でもマガイモノでもなんでも構わない。

あの男の"本心"が見たい。


目には目を。歯には歯を。

誠意には誠意を。

愛情には、愛情を。


そう求めるは誤魔化しのきかないわたしの本音。


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