カンボジアのコト

ハンモック

ここには、膝の高さの2メートル四方の台と、台の端にかかるようにハンモックがありました。
手招きして連れてきてくれた、サニイさんは、ハンモックに乗り、台に足をつき、ハンモックをゆらしながら聞きました。
「ハンモック乗った事ありますか?」
「ない!」
ハンモックに乗ると、ほほっ!!世の中には、こげんよかもんがあるとですね。
「サニイさんは毎日、こんな良いものに乗っているの!?」
「良いですか?」
「最高!!」
サニイ:それは良かった。
ハンモックに揺れながら、うへへへへー。と楽しんでいると、ふと気になった。
「ハンモックってさ、ヤシの木とヤシの木の間の高い所につるすんじゃないの?」
「その情報は何ですか?」
「イメージ。」
「そんな所にハンモックをつるしていると、落ちると腰打って痛いですよ。」
……なるほど。
「ハンモックってさ、寝るときもハンモック?」
「寝るときはベッドです。昼寝ならともかく、ここで寝るのはつらいですよ。」
………なるほど。
にしても、良いねえ。楽しいねえ。風も気持ちよい。
楽しんでいると、足音が聞こえた。
高木先生が入ってきた。
「どこにもいないと思ったら、こんな所に部屋があったんだ。」
屋上には、たくさんの人がいるけれど、ほとんど眺めの変わらないここは、がらんとしている。
「隠れ家みたいねえ。でも、帰るわよ。」
へい。
ここの部屋は中2階。ドアもない。
ドアが無いというのも、文字通り、入り口が無いのです。
屋上へあがる階段をのぼっていると、途中に板が見えるのです。
おや・・?と思うのですが、入り口はありません。階段は上へ続いています。
私は、階段の手すりの間をもぐって、板の上におりました。
腰を曲げて小さな箱のような壁を通り、左へ曲がると、窓の無いこの部屋につながっているのです。
気になる所には行ってみないとね☆
行って良かった。
< 111 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop