カンボジアのコト

無言

女の子を追いかけて外へ…日のあたる所へ出た私。
赤ちゃんを抱いて、レストランの近くをいったり来たりする女の子に
無言でくっついていく私。
すたすた歩く女の子。
無言でくっついていく私。
だって、何話したら良いのよ!!
カンボジアの言葉しか分からない女の子。
カンボジアの言葉が全く分からないおいら。
頭の中で会話を考えているうちに、赤ちゃんも泣き止んで、
女の子は、レストラン入り口というと、なんか変だけど、
ガレージの入り口わきに座った感じ。
私も、横に座る。
はっ!会話思いついた!
ガイドの所へダッシュ。
「エンドー!『ご飯食べないのですか?』ってカンボジアの言葉でなんていうの?」
「●×☆※○?←忘れた」
「●×☆※○?←忘れた」
ガイドの前で練習して、再び女の子の所へダッシュ。
「●×☆※○?←忘れた」
「◉☆△●×←忘れた」
返事されても、わからない…。
もう1回言ってもらって、覚えてガイドの所へダッシュ。
「◉☆△●×って言われた。」
「私はもうお腹いっぱいですって。あなたは、食べないのですか?って。」
「私は、お腹いっぱいです。だから、あなたの代わりに赤ちゃん抱っこしてるから、食べてきていいよ?ってなんていうの?」
「×●×※△☆▼◎?←忘れた。」
「そげん長い言葉覚えられん。」
「私もそっち行きましょうか?」
「いいえ、結構です。もう1回言って。」
「×●×※△☆▼◎?←忘れた。」
「×●×※△☆▼◎?←忘れた。」
「おう、言葉覚えるの早いデスね。」
わりと、日本語に近いので、適当な発音で良かったら、ゆっくり話してくれたら、覚えやすい。
そして、忘れやすい。
女の子のところへ戻ると、近くに、歯が無い薬にやられたな…的な人がタバコを吸いながら座っていた。
あれ?さっき、いなかったよね…。
お父さん?と聞くと、違う。と帰ってきた。
この、おいちゃん誰?!
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