カンボジアのコト

風船

そんな時、私は1冊の絵本と出会った。
風船の絵には「死」が隠れているという話し。
彼女は不幸せなのだろうか。
最後に届いた手紙にも、風船の絵が2つ。
そして、「あなたが他の地域の、他の子どものスポンサーになってくださったら嬉しく思います」という文章が添えられていた。
文章については、まあ大人というか、団体というかが書いたもの。
そして、風船の絵は彼女が描いたもの。
その差が、悲しくて、私は彼女に会いたくなった。
私は、彼女が学校へさえ行って、
何十年か後に「あぁ、学校へ行って良かった」と思ってくれれば、それで良かった。
けど、彼女に何十年か後というものが想像できないのなら、
私が、彼女に会いに行って、未来のかけらを見せよう!そう思った。
私は、どこにでもいるような真面目な子だけど、学校の意味がよく分からなかった。
数学の公式が何の役に立つのか疑問で、足し算、引き算等を極めた方が、よっぽど役に立つんじゃねえの?と思っていた。
昔は、日本から1歩たりとも出る気がなく、英語なんて、使わないよ。
日本に来たやつが、日本語話せばいい。
そんな、おいらの言葉を恩師は「そうか」と笑って聞いていた。
そして、学校へ何をしに行くかは、何通りも答えがあって、自分の答えをいつか導き出せたら良いんじゃないの?というような事を言った。
彼女にも、いつか、自分の答えを導きだしてほしいと思った。
その時間が無いのなら、私が、きっかけになろう!そう思った。
……でも、私は、箱入り娘。
どうやって行くよ…カンボジア。
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