カンボジアのコト

働く

「タイが日本を追い越すにはどうすればいい?」
そんな話題ふられても困る。しかも今からの会話は電子辞書片手に英語です。
日本語上手な姦し娘達も、空港で使う日本語しか分からないらしい。
「タイが日本を追い越すには、日本より働けば?」
「それだけ?」
「だって、そんな大きな話題分からないデスヨ。それに、答えって割と、シンプルなもんなんじゃない?」
だいたい、追い越す、追い越さないの次元の話しなの?国それぞれの個性ってもんがあるでしょ。そんな日本語どうやって伝えて良いのか分かりません。
聞かれたことに、私が単語を駆使して答えることとなった。
「で、日本人ってどのくらい働くの?」
「だいたい、週5日かな」
「長期休暇は?」
「長期休暇って子どもだけでしょ?大きな会社だとお盆や正月に1週間くらいあるかも。」
私のこの返事に、周りは、絶句した。あれ?私、何か変な答えした!?
大きなリアクションとともに、口々に話し出した。
「1週間!?全然長期じゃないじゃん。」
「日本とは、感覚が全然違って分からないや。」
「そうそう、だいたい日本人より働くなんて無理だよ。」
「友達の会社の日本人知ってる?休みの日に、仕事の事で気になることがあるって職場に来るんだよ。」
「うそー!」
「しかも、毎日残業してるのよ。」
「何考えてるの!?」
え…こっち見ないで。
「何って…仕事の事だよ。」
「日本人って遊ばないの?」
「遊んでるじゃん。ほら、私が、こしてここにいるのも、遊ぶためだ。」
「カンボジアには、何日行くの?」
「5日かな…。」
「海外に行くのに、たった5日?!みんな、そんなもん?」
「いえ、私は、短いよ。」
「たった5日しか休みくれないなんて、厳しい仕事場なんだね…。」
「5日も、くれたんだよ。」
「変なの。」
「そうだろうそうだろう。私も、君たちが不思議で仕方がない。」
今、おのれら仕事中だろ…。
私の乗る飛行機のゲートがあいた。
ゲートがあいただけで、飛行機には、まだまだ乗れないけど…英語疲れた。
じゃ、また、いつか会えると良いねー。ばいばーい。
ということで、私は、彼ら彼女らと別れた。
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