カンボジアのコト

出発

運転手と、スタッフのリタと、ガイドのハーマンと、私。それに新しくスタッフが車に乗り込み出発。
…スタッフ迎えに来ただけかよ。
私達支援者が村を訪れると、支援している子どもに会わせてくれるだけでなく、
スタッフが村のプロジェクトを見せてくれる。
私は、プロジェクトは以前見たので、あらかじめ、学校や、邪魔にならない範囲で学校の授業が見たいことを中心に、職人さんの家が見たいこと、貯水池が見たいこと、井戸が見たいことを伝えていた。
どこまで希望が通るか知らぬがな。
で、まず学校へ連れて行ってくれた。
ん?午前中ですが?午前中の授業の時間じゃなかですか?
「今は夏休みなので、生徒がいないそうです。」
なーつーやーすーみ!?
ちーん。なんで、私を連れてきた!?
「いつまで夏休み?!」
「田植えが終わるまでです。」
そんな…子どものいない学校見たって面白くもなんともねぇ。
そんな私の気持ちをムシし、スタッフは満面の笑顔で、幼稚園やら、小学校やらを紹介してくれる。
そして、ことごとく部屋に鍵がかかっているので教室の中はのぞけない。
愛想笑いしながら見ていたが、意外に面白い。
校庭っていっても、それほどの広さは無いし、地面は雨のせいで、でこぼこ。
ここでサッカーするのか。
カンボジアの子ども達は、よくサッカーをしている印象がある。
私は、サンダルをポイッと脱ぎ捨てる。
子ども達がよく裸足で歩くのを見るから。
地面を歩くと、痛い。
校庭なら、石と草取りが必要です。
日本の校庭はとてもよく整備されている。
鉄棒がある所もある。ただ、目立ったのは、国旗か、校旗か知らぬが、真っ白な旗をあげる立派な台。その台だけが、立派なのだ。
後、先日選挙だったため、学校が選挙の会場の所は、選挙関係の掲示物が目立った。
一番気に入ったのは、必ず大きな木が1本あること。
木陰になっていて、その下だけは、ひんやりしている。
車も走らない、電車もない。人通りもない。無音の空間が広がる。
時折風がゆらす木の葉の音だけが耳に心地よかった。
ある場所では、遠くから、読経の声が聞こえていて、それはそれで、また良かった。
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