カンボジアのコト

昼食

職人の家を後にして向かったのは、レストラン。
レストランって・・・。
レストラン!?
なんていうかねえ。想像力を働かせてください。
私の必死な文章に耳をかたむけてください。
まず、木でできた囲いがあるんです。
で、一カ所囲いが途切れた所があるんです。
そこから入ります。
そしたらね、
膝より少し低いくらいの高さの、2メートル四方の台が4つ5つあるの。
その台は、全部簀の子みたいに隙間があいてるの。
で、巨大簀の子の端っこの上というか、簀の子の横というかに、1つの台につき
ハンモックが1つから2つかかかってるの。
で、屋根が一応ついてて、茅葺きというか、椰子葺き?な感じ。
その巨大簀の子の奥に、掘建て小屋があるの。
ドアなんてない小屋です。
レストラン。
「レストラン?何この面白いの!!」
私達が来たのを見計らって、中からどんどん料理が簀の子の上に並べられる。
「入り口につったってないで、中へどうぞ。」
お嬢様どうぞ、という感じの優雅な仕草で私を促してくれた。
どうぞと言われても…レストランというか、囲いの中へ入り、簀の子に近づく。
「イスは?」
「イス?」
ハーマンが怪訝な顔をしながら、巨大簀の子の上にのぼる。
「何してんの?」
「何してるってご飯食べるんじゃないですか。」
や…や…違うぞ?
この巨大簀の子が机だとしたら、イスが必要だし、
この巨大簀の子がイスだとしたら、机が必要だろう。
つったっている私にハーマンが聞いた。
「こんな食べ方しないんですか?」
「はじめてですよ。」
リタはさっとハンモックに場所をとり揺られながら私たちを見ている。
おそるおそる簀の子にのぼる。
「もっとちゃんと中に入って座る。」
と、ハーマンに押された。
どうしよう…楽しい!!
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