カンボジアのコト

時間

たとえ心もとない手すりとて、無いよりまし!!
ということで、長蛇の列に加わった。
サニイさんも、お付き合いで並んでくれた。
もちろん、優しい優しい佐藤君も、それから、最上階で、ぐるぐる観光していた姉さんも。
列は…全然進まない。
姉さんは、高所恐怖症とか、私の心配をして…というわけではない。
「ん?楽なら、それがいいわ。」
という返事。
そんなとき、サニイさんが一言。
「時間が…。」
「時間!?」
時間って何さ。
なんと夕日を見る予定だったらしいのです。
たかが夕日と思うことなかれ。
カンボジアに行って夕日を見ないなんて!!というくらい
夕日がキレイらしいのです。
そんな…そんなこと言われたら、手すりの無い階段からでも
降りてみせましょう!!
意気込んで列を離れたはいいが…。
こえぇぇぇぇええええ!!×_×
「大丈夫です。そんなに簡単に落ちません。」
ひょえぇぇぇぇぇえええ!!
こっちの足場こっちの足場とサニイに指示され支持され降りていきます。
顔は汗と涙に砂がミックスされてボロボロです。
下まで降りきってもまだ、下がある気がして、
ふわふわして、へっぴり腰のまま進んでいきます。
そうして進んでいくと…。
手をすりむいて、膝もちょこっと擦りむいて、泣いてる女の人がいました。
…………思いっきし人落ちてんじゃん!!Σ(゜д゜;)
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