カンボジアのコト

断崖

人工的にまっすぐに切られた石。
その石と石の切れ目に手をはさみ…
23センチの私の足は、石の壁と平行にしか置けず…
そんな所を上へ上へと登ること…何分でしょう…。
幾度となく…落ちたらサヨナラだ…と思い…
落ちた人いないのかな…と思い…
前を登る人が落ちると、私も巻き込まれる…そんなのイヤだ!!
と…ひたすら思い続け頂上に到着。
真ん中に小さな空洞の建物があって後は何もなし。
四方見渡せる場所。
観光客だらけで、うるさいはずなのに、人の声なんて耳に入ってきません。
森の中にたたずむアンコールワット。
初めて景色に感動して涙が出ました。
あの光景は一生忘れません。
とか言いながら、日本人観光客ですから?
人のよさそうな、お兄さんに声かけて、
花田さんと2人、写真をとってもらいます。
高所恐怖症なので、あんまり端には寄れませんが、うろうろと歩いていると、
いつの間にか、観光客は引き上げ体制。
花田さんと、私以外は、異様な空気を撒き散らし
疲れはててうなだれていました。
夕日は、雲に隠れて、再び出てくるのかな…と思っていたのですが、
出てこないので、
皆の所へ戻り、ガイドさんへ質問。
「夕日…もう出てこないの??」
「はい。終わりデス。」
「はぁ!?」
異様な空気を撒き散らしていた人々が起き上がった。
< 52 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop