カンボジアのコト

電話

帰り際、人がまばらになるまで、崖のふちに座っていると、
高所恐怖症の私でさえ、また登りたいと思わせるような景色を目の前に、
高木先生が一言つぶやきました。
「こんな素敵な場所から、一番大切な人に電話が繋がったら最高よね。」
彼氏もち、海外で使える携帯もちの、なっちゃんと姉さんは、
おもむろに携帯を取り出し電話。
2人とも、彼氏にはつながらなかった。
うししししししし。
彼氏なしの私は、2人の、そんな様子を見ながら
後ろで声を殺して笑った。
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