カンボジアのコト

好かれる

姉さんが、不機嫌そうな顔をしていた。
「どうしたの?」と聞くと、こういうことらしかった。

朝の5時、電話が部屋に突然鳴り響いた。
「Hell??」
眠そうに姉さんが電話に出ると、
なんちゃらかんちゃらと、中国語でしゃべっている。
ともかく、姉さんは中国語ができるので、聞き取れる。
「やぁ、寝ぼすけさん。僕の声でお目覚めかい?」
ってな内容で、
フロントから電話でした。
ちなみに、モーニングコールは頼んでいません。
なにしろ、モーニングコールはあてにならないそうで。
あてにならない以前の問題です。
朝食集合が8時だったため、姉さんはブチ切れ。
そして姉さんは中国語がペラペラだったので、
集合時間に、フロントまで降りて行って、中国語で電話をかけてきたヤツにまくしたてます。
ところが、
「君から僕に話しかけてくれるなんて、なんて嬉しい日なんだ。」
と嬉しそう。姉さん…効果なしです。
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