♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「あんたにわかる?
あたしがどんな想いで貴斗を待ってたか…

どれだけ貴斗を好きだったか」

「唯香ちゃん」

唯香ちゃんの声が、低く震える。

彼女の気迫に押されて、壁際まで追いこまれるあたし。



「貴斗は、あたしのものなんだから。
もう貴斗に関わらないで…

今すぐ貴斗を返してよ!」

彼女に突き飛ばされて、あたしの肩がドンと壁にぶつかる。

ぶつけた肩を押さえて、唯香ちゃんを見上げる。

唯香ちゃんの目から、スーっと涙がこぼれ落ちた。
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