♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「あんたは、唯香ちゃんのほうが大事なの?」

あたしは階段の上から、小さくつぶやく。

どんな答えを期待してるんだろ…

彼は唯香ちゃんをのぞきこんでから、まっすぐあたしを見上げた。



「…ほっとけるわけないだろ」

「やっぱり、そうなんだ」

ぼんやりつぶやいて、一段ずつ階段を降りるあたし。



「あんたが大切なのは、唯香ちゃんのほうなんだ」

ぐちゃぐちゃになりそうな気持ちを抑えて、淡々と言葉を続ける。



「だったら、そっちにいけばいいじゃん…

あんたなんか、唯香ちゃんの所に行けばいいじゃん」

視界が、微かにぼやける。

あたしは大きくまばたきして、瀬戸内の隣で立ち止まる。



「もうたくさんだよ…
あんたなんか、もういらない」

低くつぶやくあたしの声が震える。

あたしはうつむいたまま、二人の隣を走り抜けた。
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