♂ vs ♀ ~続・男女寮戦争~《完》
「やっぱ、いい…」

ツレない瀬戸内にやる気をなくして、背を向けるあたし。

「牧村、待てよ」

セーラー服の袖をつまんで、引き戻された。



「…で、どこ行きたいの?」

「えっ?」

「お前の行きたいとこ、連れてってやるよ」

意地悪な言い方だけど、意外と優しいじゃん。

瀬戸内の隣にしゃがんで、彼と目の高さを合わせる。



「そうだな…映画もいいし、カラオケでもいいし」

視線を泳がせて、いろいろ妄想するあたし。

なんかテンション上がってきた…



「…あっ、それか遊園地とか?

やっぱ寒いし、普通に買い物のほうがいっか?

う~ん、イルミネーションもいいかも」

瀬戸内と過ごすクリスマスイヴ、楽しみすぎるじゃないか…

どんどん顔がニヤケてしまう。
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