GIFT
タンタンタンと軽い足どりで階段を下りていく。
すると下から人が上ってきた。
それに気付いて、ちらりと目を向ける。
明るめの焦げ茶色の髪。整って、さわやかそうな顔。
………あ。この人も知ってる。
ちょっと凝視しすぎたのか、たんに自分以外の存在にやっと気付いたのか目があった。
反射的にペコリと軽く頭を下げる。
向こうは少し不思議そうな顔してから、軽く微笑んだ。
…………さすが。頭下げられてることに慣れてんな…。
そのまま彼の横を通り過ぎる。
――――彼が後ろで自分の姿を凝視してるのを何となく感じながら。
(やっぱ、あいつの友達、異常に顔いいのばっかだわ)
さっき屋上で開いた画像を見ながら廊下を歩く。
周りの目は無視。
間違いない。あの人もそうだ。この学校の頭の右腕。
携帯をぱたりと閉め、少しだけ頬が緩むのを感じる。
―――…なんだか少しだけ、楽しくなりそうな予感がするよ