Distance of LOVE☆
朱音と奈留が退院した日、奈留は覚えていないかもだけど、
流産してしまった、奈留のお兄ちゃんかお姉ちゃんになるはずだった子の、お参りをしたんだよ。


奈留の3歳の誕生日に、七夕が近いからって短冊に家族全員で願い事を書いたんだよね。


奈留は、

すっごい丸みのある女の子らしい字で、


"おねぇちゃんになりたい"

"わんちゃんほしい"


って書いてたよね。


真っ白のワンピースを着て、妖精みたいだった奈留。
そんな彼女の願い、叶えてあげたかったけど…


叶えてあげられなかったよね。


朱音はそれから一度だけ妊娠したけど…

奇跡はそう何回もおきなくて…


流産した。


だから…


度々俺に行為を迫ってくる朱音に、言った。

「朱音。
無理することないよ。
子供は無理して作るものじゃないしね。」


って。


ごめん…奈留。

1つ目のお願い…叶えてあげられなかったね?


その代わり…


「ワンちゃん…
飼っていいのっ?」


そう言って…家中を走り回りながら喜んでた姿が可愛すぎた。


せめて…


もう1つのお願いだけは…叶えてあげたかったんだ。

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