碧眼の天姫―刀の後継者

火鬼の覚醒



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「っ…あ……?」


目を開けると、見慣れた天井が広がっていた。


何か、長い夢を見ていた気がする。


何の…夢だったか…


「良く眠ってたね」

「千年…」


千歳はあたしの頭を優しく撫でた。


千歳の顔見ただけで、なんだか安心する…


「美琴、お腹空いてない?俺、ご飯作った♪」


千年はニコッと笑って私を見つめる。


「ん、食べたい…」


本当は、とっくのとうに食欲が湧かなくなっていた。

体が鬼と化してから、普通の人間とは構造が変わったらしい。


それでも、千年が作ったご飯はおいしい。


力と引き換えに、内臓を失っていく代わりに鬼の力がそれを補っている。


「美琴?」

「あ、ごめん今行く」



笑みを向けて、あたしは立ち上がる。


その時ー…


―ドクンッ…パリンッ!!


「!!!?」



封印が…解け…た…?






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