【完】そばにいるだけで



思わず深呼吸してしまった。



すると、その様子を見ていた城山さんがやって来て、



「草壁さん。もう一回撮ってくれない?ね、桐生くん、一枚だけ付き合って」



と言って、桐生くんの隣りに無理矢理並んだ。



桐生くんは城山さんの強引さに押しきられる形で、その場に突っ立っていた。



城山さんは髪を気にしながら、わたしに笑顔を作って構えている。



なんでわたしが、この二人の写真を撮らなくちゃいけないの?



嫌だよ。


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