見えない二人の距離
「料理」
お願いは言うなって。
「え…手料理ってこと?」
「ああ」
澪が驚いた顔をして、いつもより瞬きが多い。
そんな驚くことか?
「なんか…普通じゃない?」
「おまえバカだろ」
「ばっ…!?」
誰もが認めるバカだ。
「普通がいいんだろうが」
「…でも……」
おまえの中の普通は、もう普通じゃねぇのはとっくに知ってる。
だからオレが言う普通に抵抗があることも。
澪…おまえは本当にバカだ。
大バカだよ。
「オレは、普通がいい」
「じゅん…ぺい」
普通に戻れよ…澪。