お嬢様の秘密

波紋

-葵side-


翌日になり明日から冬休み。


俺はまた、実家帰って溜まった書類整理に没頭するだけだ。


俺は昨日からなにかを失っている。


....ユリ。


TVで裃の事件なら大きくニュースで流されそうだが学園長が必死にねじ伏せた。


あの方もすごい必死に根回しをしていたな………


はぁ.....。


「葵様....。午前中だけでため息、145回目でございます。」


お前、数えてたのか....。


吉崎が言うが言い返す気にならない。





…俺の中のユリの存在が大きすぎる。


夏休みなんて一緒に花火大会行ったのにな....。


思い出すのはユリ。


俺、もう実家帰ろう....。


この寮にはしばらく帰りたくはない。


「吉崎、俺もう実家に帰るから準備しといて。」


「承知しました。」


とりあえずユリの部屋の様子を見に行こう。


「俺、ちょっと出かけてくる。」


「分かりました。くれぐれもお気を付けください。」


理央兄に会ってこよう....。


結局あの日は理央兄は間に合わなかった。
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