お嬢様の秘密
ードンッ


「きゃっ!」


しまった。


ぶつかっちゃった....!


ヤバイ....!


ずっと会ってないお父さんだけど、突然会社クビになったらどうしよう…なんて訳のわからないことを考えてしまった。


とりあえず謝ろう。


私はくるっと後ろを向いた。


「ぶつかってすいません!」


そして90度くらいまで優雅に礼をした。


周りには誰もいないよね.....。


ここは逃げる一手!


「おい!」


うわ。


話しかけられた....。


しかも運悪く男だ。


「お前…」


何を話したいのか知らないけど…。


私は全速力で逃げた。


どこをどう走ったのか分からないけど、とりあえず部屋に着いた。


「ハァ.....。」


ぶつかった人....。


どこの家の人だろう....。


場合によってはかなりやばいよね.....。


と考えていた時。


「何考えてんの?」


後ろから急に男の声がした。


え?


誰?


ってか勝手に入ってるし!


女の子の部屋に!!


「あなた.....。」


「さっき会っただろ?廊下で。」


「あ....。」


何で部屋が分かったの!?


やっぱり出身が悪いからイジメにきた....?


「あの…。何をしに私の部屋に…。」


「さぁ?」


と妖艶に笑って答えた。


「とりあえずさっきはホントすいません。でも、お願いだからほっといて!」


「.....。」
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