お嬢様の秘密
なんか黙っちゃった。


「俺....。フラッと追いかけただけなんだけど。」


「女の子の部屋に勝手に入ってそんな用なの....。」


なんか脱力。


「さっきから思ってんだけど。俺のこと知らない?」


はぁ?


“俺のこと知らない?”


知らないに決まってるでしょ、初対面なんだから。


「知りませんけど何か?」


「覚えとけよ。俺は高澤葵。」


あっ.....。


今日どっかで.....。


「もしかして、今日教室で“王子”なんて呼ばれてた人?」


チラッと小耳に挟んだ....気がする。


「....そう。ってか1週間前くらいに来たよな?何で俺のこと知らないの?」


「え?同じクラスだったの?」


「そこから話すか....。」


「同じクラスの人ってあまり覚えられないんだよね....。」


「覚える覚えないは人それぞれだけど、権力争いに巻き込まれやすいぞ。その考えは。」


「どういうこと?」


高澤はこの学園の説明を始めた。


この学園は全てにおいて優秀であれば、この学園最高の位が貰えるらしい。


それは知ってる。


学園長直々に説明されたし。


だけど学園最高の位は何年か前に廃止されたんだって。


シルバーがそんなことを言っていた気がする。


位はないけど、今実際に学園長に匹敵するくらいの権力を持っている人はマリアって言うらしい。


そこまで権力を持っていると、ある程度は思い通り。


まあ...ある程度って言っても総理大臣を変えるのもある程度に入るんだけどね。


で....それとこれと何の関係?
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