お嬢様の秘密
「じゃあ行こうか。そろそろ午後の部が始まるし。」


葵は指をパチンと鳴らした。


「お呼びでございますか?」


もしかして葵の執事?


初めて見たかも....。


「車の手配よろしく。あぁ、何出すかわかってるよな?」


「はい。かしこまりました。」


さっと指示を飛ばせるのも庶民な私と違ってカッコイイ...!


立ち振る舞いが完璧だしモテるのもなんか分かるような気がする。


そういうの私は興味ないけど。


「葵。今の人って葵の執事?」


「そう、吉崎隆弘っていうかなりベテランの執事。」


「やっぱりどの人も執事っているんだね。」


「ユリはいなかったのか?」


「うん。この学園に転校する1、2週間くらい前に執事が現れたんだ。」


今でも思ってる。


仕える主人を間違えてないのかって。


でも貴重な体験はしてみたい。


「ふーん...。」



それから5分ほどして。


「葵様。準備が整いました。」


「分かった。ユリ行こう。」


「よろしくお願いします....。」


「何かしこまってんだよ。」


「なんとなく?」


「なんかお前の反応おもしろいな。」





頭に大きめなハテナマークが出た。


葵に笑われながら、学園祭会場に着いた。
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