Rain 2
『聖夜…もう帰っていいで。てゆうか帰って』


『いい。6時までおる。まだ二時間もあるし。直接会社行くから』



聖夜のすること全てが逆にあたしを苦しめる。



『いいから帰ってほんま。しんどいねん…もう疲れたわ。いつもいつもあたしのことバカにして…』


『分かった…でも知香が寝るまで隣におらして…。寝たらちゃんと帰るから』




聖夜はそう言うとベッドの横の椅子に腰掛けた。





あたしには分からない。


聖夜は何をしたいのか。



あたしにもあの子にもどっちにもいい顔して。







当然あたしは眠れなかった。


聖夜が座ってるほうに背中を向けて、ひたすら目をつぶってたけど寝れるはずがなかった。





あたしはバカだった。


最悪な男なのに…

それでも聖夜が好きなんだと感じさせられた。




こんな状況でも聖夜が隣にいてくれることで安心している自分がいる。
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