Rain 2
あたしは信じてた…。


聖夜は優しい子だったから。



だからあの子のことほうっておけないんだと思った。



っていうよりもそう自分に言い聞かせていたのかもしれない。







夢見た幸せがあったから…


あたしには未来が…

聖夜と幸せになれる未来だけが支えだったから。





『知香寝てる?』


聖夜があたしに聞いた。あたしは寝てるふりをした。


『ゆっくり寝ろよ…いってきます』




聖夜はそう言ってあたしの頭を撫でると病室を静かに出て行った。





あたしに触れた聖夜の手はすごくあったかくて…涙が出そうだった。
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