モノクロの音色よ鮮やかに響け
【第二章】小さいながらも明るい我が家

1、本田家の日常

「ただいまー」
「おかえり」
私が帰ると、お母さんが答えた。
4時までのパートから一足先に帰ったようで、台所で買い物袋を広げて夕飯の支度を始める所だ。

「恭子、洗濯物とりこんでくれる?」
「はーい」
私は弟と共同部屋の自室に鞄を置いてから、裏庭というには狭い、洗濯物干し場に出た。

とりこんだ洗濯物を居間の畳に広げて、簡単に畳んで仕分けする。
分けられた自分の服は自分でしまう決まりだ。

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