モノクロの音色よ鮮やかに響け

3、真夜中の夢

久しぶりにハッキリとした夢を見た。

過去にあった、正夢。

うちが引っ越して来る前は、この家は父方の祖父母の家で、うちは近くのアパートで家族4人で暮らしていた。

私の覚えてる限りでは、祖母が元気だった記憶はなく、いつも居間の陽当たりの良い窓際に置かれたベッドで、静かに眠っていた。

言葉を交わす事は出来なかったけれど、たまに起きてる時に目が合うと、ふっと目が笑う事もあった。
色白で小柄で、優しい印象の祖母は、若い頃は綺麗な人だったんじゃないかと思う。

祖父は祖母に話しかけながら、流動状の食事を点滴のように胃ろうで直接胃へ送ったり、常に少し開きっ放しで乾いた口を、濡らしたガーゼで拭いたり、唇にリップを塗ったり、オムツや着替えや体を拭いたりしてあげていた。
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