桃色彼氏と帰り道


「聞いてる…」


あぁ…
声が低くなる……


「あ?きげんわるい」

「ううん、バイトが忙しかったから
疲れてるだけー」

「ふーん。」

「悠夜はなにしてんの?」

「ん?別にー」

「ふーん。」



少し沈黙が流れたあと、



「お前っていつもどの電車使ってんの?」



いきなり突拍子のないことを
言われて、ポカンとしてしまう。



「電車?」

「そーだよ。自分の使ってる
電車もわかんねーのかよ、」


あ。今鼻で笑った……!!


「〇〇電車だけど…」

「そうか。」



また沈黙。



「俺のサークルの友達がな?」


悠夜が自分の大学の話をするのは
珍しいことだ。


「うん?」

「〇〇電車つかってんだけど、
なんか最近痴漢にあったみたいなんだよな。」





…………痴漢。




にあうということは
その友達は




女か…。




< 3 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop