Tricksters



「さて、今日はお休みだし!
ユカリ、ラブホでも寄ってくか?」


ユカリさんは、まんざらでもなさそうに笑った。

昨日までなら、絶対に嫌な顔してたのに
月夜の色男攻撃恐るべし




「やっぱ、布団よりベッドがいいな。俺的には」


「テメ……人の布団で何した?」


あの後、ふて寝した俺は
二人の行き着いた先ははわからない。


「布団は、やっぱり畳がいいわよ。

滑るし、痛いし、あんまりよくなかったわ」


ユカリさん……
生々しい説明ありがとう……




所長が玄関ドアを開くと、もうそこには李花の姿はない。

泣いたまま、そこにいて
このゾロゾロ出ていく御一行様を見てくれたらよかったのにな……




皆が部屋から出ると、たまたま通りかかったサラリーマン風のオヤジが物珍しいそうにコッチを見てた。


そりゃ、この人数が一気に出てきたらビビるよな。



「また、泊まりにくるからな!」


「来なくていい!」


「あっはは! 照れちゃって」


「照れてねーよ!」


オヤジは、隣の部屋の鍵を開けて急いで部屋に入る。


しまった、お隣さんか!

挨拶もしてねーのに変な場面見られた。



「じゃあな
また、月曜日
トリックスターズでお会いしましょう」





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