Tricksters
「ちくしょーっ! アイツ!
今度という今度は、見つけ出したら刺すしかねー」
悔しい……
なんで何回も騙される?
「ちわーっす。DEMEKIでーす」
「はあ?」
一瞬、タカシくんの野郎かと思ったけど違った。
「すみません! マットの回収を一枚忘れてしまいまして、回収に来ました」
「マット?」
デメキンのオレンジの作業服の兄ちゃんは、俺の足元を指差す。
前回、タカシくんが器用に巻いて回収していったマットだ。
「すみません! トリックスターズさんお引っ越しは昨日で完了したと伺ったのに社員の方が待っていてくれたんすね!」
俺が退くと、兄ちゃんはマットを器用にくるくる巻いた。
「俺、トリックスターズさんの大ファンです! 見てくださいよ」
兄ちゃんの携帯には、ブルーのもっぷくんがぶら下がっている。
「嫁が、ゴールド欲しさに十個も買ったんすよ。一個もらいました」
「ははは……ゴールド出ました?」
「全然! どうにかなりませんか? うちの工場で作っているのに全く手に入れられないんすよ」
「聞いてみますよ……そのかわり
トリックスターズの引っ越し先知ってます?」