Tricksters
二台あるエレベーターに飛び乗り十階のボタンを押した。
「すみません。ご一緒します」
謝りながら乗ってきたのは城田部長。
二階のボタンを押した。
営業課は二階か
ワンフロアーに一つの部署。
贅沢だ……
ってか、ここは一階だ。
二階までなら階段使えよ城田部長。
「すみません、お先に
淳一くん、また営業行きましょうね」
「はい、是非」
エレベーターは、そこから一気に十階まで上がる。
十階は、所長室と販売促進部。
それから秘書部のフロアーらしい。
エレベーターの案内表示に書いてあった。
エレベーターを降りると、また予想外のキャストとすれ違う。
「佐伯社長!?」
「やめてくれよ、淳一。
今日から俺はおまえの後輩だから」
「えっ?」
佐伯社長が後輩ってことは……
「Trickstersが、建築業界にも手を出すそうだ。所長は、以前から興味を抱いていた業界らしく自社ビル移転と共に建設部を作られた」
「あっアイツが?」
社長は、顔にシワをいっぱい作って満面の笑みになる。
「このビルを使ってもらえる上に、俺を建設部の部長に採用してくれた!」
もう、何があっても驚かないぞ。
俺の心臓は鋼より堅い。
「よかったですね! 今日から佐伯部長って呼びます!」
「よろしくなー、淳一! 所長室行くのか?
今、お客さんが来てるみたいだぞ。誰だか知らないけど入室は許可されなかった」
「そうっすか、でも顔出してみます」
何があっても驚かない。
驚かない……
驚かないぞ。